Vol.9 ママが英語を教える1

今回のレッスンから3回に渡って、家庭でお母さんが先生となって、子どもに英語を教える基本的な考え方について、お話しさせていただきます。(えっ?無理!)と思われるかもしれませんが、できます。できるためのちょっとした考え方のコツについて、ますはお話しさせていただきますね。

もしあなたが、ボートから海に放り投げだされたとします。想像の海がロシアの海だったら、少々寒すぎる感じがしますので、カリビアンの海にしておきますか?もしカリビアンの海は想像し難いとしたら、沖縄でも湘南でもいいです。でも、想像上ではタダでどこにでも行けますので、できるだけドラマチックな想像をしてみてください。どの辺りの海で、水がどんな色をしているか、など想像して、頭の中で臨場感を創り出してみましょう。

あなたは服を着たまま船の上から投げ出され、一瞬のうちにかなり深いところまで沈んでしまいました。どんな服を着ていますか?髪の長い人は顔に髪の毛が絡んでしまいますね。靴は片方脱げてしまいました。海の中で靴を履いていたら邪魔なので、もう一方の靴も脱いでしまいましょう。そして上を見上げます。水面は頭上10メートルくらいの所にあり、キラキラしている光が見えています。

そこで想像していただきたい3つの点があります:

  • 1)ボートから海に放り投げだされた状況ではなく、飛び込みをして遊んでいる時に、水面下10メートルにいき、そこから水面に上がって来る時の動きを想像してください。

次は

  • 2)あなたはボートから海に放り出され、深く沈んでしまいました。そこで、頭上10メートルの水面を見て(泳げないの 怖い どうしよう)と一瞬でも思ったとしたら、あなたの体の動きはどうなるか、想像してください。
  • 3)あなたはボートから海に放り出され、深く沈んでしまいました。そこで、頭上10メートルの水面を見て、(良かった 水面が見える よし そこに行こう)と思ったら、あなたの体の動きはどうなるか、想像してください。

まず1)でお分かりになると思いますが、水面上に出てくる時の手足の動きは、非常に単純ではないかと考えます。両手を伸ばして水をかきますよね。脚は水を蹴ります。では、誰にでもできるような簡単な動きであっても、もし2)のように(できない)という気持ちから始まっていたら、どうなるでしょうか?きっと体は無駄な動きをしてしまうことでしょう。そしてもし、大きな恐怖に囚われてしまったら、バタバタ動いで海水をガボガボ飲んでしまい、溺れてしまうかもしれません。

最後に、3)の人は絶対に生きて助かる!という、強い意思が働いていると思いますので、単純に体を動かすだけでなく、それを上回り更に効果的に体を動かして、水面上に出て助かるのではないかと想像できます。

英語の習得とはそんな感じです。いえ、脳科学で言えば、こうしたマインドは何の習得をする際にも、同様のことが言えることでしょう。あなたの脳は「できる」と思ったことは、どうしたらできるようになるか考え始め、逆に「できない」と思ったら、どうしたらできないのか考え始めます。ですから、できないと思ったらできないし、できると思ったらできるようになるのです。

では、できるとできないの違いは、具体的にどのように生じるのでしょうか。実のところ違いは、「やる」か「やらない」か、だけなのです。小さなできることを「やる」か「やらない」かだけで、道は分かれていきます。全人類の遺伝子の配列は99.9%同じだそうです。ですから厳密に言えば、できない人は不可能だったり能力がないのではありません。ただ「やらない」だけなのです。でも、その「やる」ができない人はどうなのでしょう?それはやはり「できない」のではなく、日常生活の小さなことで、「やらない」という「選択」をしているだけだと考えます。例えば、(絵本の読み聞かせができない)という人は、子どもに本を読む代わりに掃除をする選択をしているとか、(英語の読み聞かせができない)という人は、困難なことはしたくないと、最初からやらないと選択をしているとか。

面白いことに、できないと思っていると、なんとなく罪悪感が残りませんか?でも、(そうか、なーんだ、私は、やりたくないからやってなかったんだ)と思うとスッキリしますよね。ただし!家庭で子どもに英語を教えることに関しては、やりたくない人でも、是非、やらないという選択について、思い直していただきたいのです。なぜなら・・・

まずは英語教育に関しては、これからずっと付きまとってくることと思います。なので、子どもが大きくなった時、英語が彼らの可能性の壁となるよりは、小さい頃に基礎を作っておいてあげれば、きっと将来、親子共に楽ができます。「英語問題はずっとつきまとうぞ~」とは、私の想像や妄想で言っているのではありません。文部科学省が「グローバル化に対応した教育環境作りを進めるため、小中高等学校を通じた英語教育改革を計画的に進める」と打ち出しているのです:

グローバル化に対応した英語教育改革実施計画
大学入試に外部試験を導入する現実的方法

しかし、学校で困るからやっておいた方がいいというだけでなく、水面上に出て息をして生き残るために、英語を学ぶことは、後々大きなベネフィットになると思います。私は英語が読めて書けて聞けて話せます。でも20代前半まで、英語が全くできなかった経験もありますので、英語が分からなかった時と、英語が分かるようになった時では、何がどう違うのか理解できていることがあります。そのことについては、また後程、詳しく言及させていただきます。

さて、やった方がいいということを知っていて、地道に続ける気持ちもあるという方は、あとはちょっとしたやり方さえ分かればいいですね。その準備として、これから3回に渡ってお話しさせていただくことについて、是非、ご自分なりに考察を進めてください。上記の3)のケースのように、明確な意図を持って進めば、ただ手足をバタバタ動かすだけでなく、更に効果的に動けるようになります。

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